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Ⅲ フロントライズアップ(飛び立つための手続き1)
1.走る前の準備、キャノピーの位置と整え方(形)

2.何を手に握るか?
3.構え
4.ライズアップ
5.頭上安定
(1)キャノピーの上下(前後)・つぶれの調整
(2)キャノピーの左右の調整
6.走り方と離陸
(1)キャノピーの傾き:走る方向とブレークコードの調整
(2)キャノピーが後ろ過ぎる・前過ぎる場合

 

 

 フロントライズアップ時の基本動作ポイント


a. キャノピーのセッティング(置き方)に細心の注意を払う
b. 風の強弱に応じたキャノピーの引き上げ方
c. キャノピーに負荷を掛ける位置の確認と2~3歩の後退。

 

 1.走る前の準備、キャノピーの位置と整え方(形)

 意図:キャノピーの傾きを抑えるために、できるだけ風をキャノピーの中央部から入れたい。
 

・キャノピーの端から風が入ると、入った方の翼端が先に上に上がり、キャノピーが傾いて上昇してしまう。
・それを防ぐために、キャノピーの置き方にひと工夫をする。
・基本は、下図のように扇形に拡げる。
・黄色のキャノピーも緑色のキャノピーもどちらも同じようにきれいに拡がっている。
・しかし、ラインの張り具合が微妙に異なっている。

 

キャノピーゆとりのないカラー2.png
キャノピーゆとりのあるカラー2.png

・特に、Aラインに関して、その張り具合に留意する。


・黄色のキャノピーは、6本のAラインがきれいに直線に張っている。
・一方、うす緑色のキャノピーは、真ん中の2本のラインはきれいに直線に張られている。
・しかし、左側2本と右側2本のラインが、ゆるく張られており、くねくねしている。
・黄色のキャノピーは、キャノピー全体が、地面に平行に均等に上がっていくことを想定している。
・一方、うす緑色のキャノピーは、キャノピーの中央部から浮いていき、両翼がそれに遅れて、中央部に引かれるように上がっていくことを想定している。
・均等に上がっていくことを想定している黄色のキャノピーの場合は、すべてのラインを同時に上に引き上げることになり、水平に上がっていく。
・水平に上がっていくので、ちょっとした風の変化、あるいは身体の偏り、引き方の偏りにより、水平ではなく斜めになる確率が高くなる。

 

・一方、うす緑色のキャノピーは、両翼のはじのラインが緩く張られているので、必然的にキャノピーの中央部から浮いていく。
・中央部から浮いていくので、中央部の上昇力をしっかりとつけておけば、傾きの確立が低くなる。
・傾いたとしても、依然、中央部が高い位置になるので、コントロールが比較的に容易となる。
・したがって、キャノピーの拡げ方は、右側のうす緑色のように、中央部2本のラインは張り気味で、両翼の4本のラインは、緩んだ状態にする方が良さそうである。


 

 2.何を手に握るか?
 フ
ロントライズアップの場合、両手に何を握ってライズアップするのか?
・Aライザー、Bライザー、Cライザー、その他ライザー(ライン)があるが、そのうちのコントロールグリップ(ブレークコード)とAライザーを持つ。他のライザーは持たない。

 

フロントライズアップ握るもの1画像縮小20%.png

・コントロールグリップ(ブレークコード)は、風が弱いときは風をきっちり取り込むために、ワングリップ短めに持つと良いと言われている。
・手にコントロールグリップを持ち、その上にブレークコードを重ねるようにして持つ(下図)。

フロントライズアップ握るもの.png

 3.構え
・構え:両腕をW字型にして、こぶしを肩近辺に位置させる。
・手のひらには、フロントAライザーとブレークコードのコントロールグリップを握っている
・他のライザー類は、全部、ひじの上に載せる状態にする。

‍肘の上1縮小30%.jpg
肘の上採用2縮小30%.jpg
‍肘の上採用3縮小30%.jpg

・両手のこぶし(ブレークコード)の位置は、大体、耳あたり(より正確に言うと、ハーネスからのラインがブレークコードを上に引き上げたとき、ちょうど張る程度の位置)。
・立ち位置、左右均等に引ける位置の確認を行う、決める。
・この状態で、負荷のかかる立ち位置を確認(覚えておく)、Aラインの真ん中のラインが張る位置。
・そこから数歩、後ろに下がる。
・この負荷のかかる立ち位置をめどに、そこへ腰を入れて走り出す。
 

 4.ライズアップ
 短い距離で立ち上げるイメージ。キャノピーのエアインテークにうまく風を引き入れるイメージを持って行う。
・ゆっくり走りだし、ハーネスに手ごたえを感じたら(負荷のかかる位置に来たら)、前傾してしっかりと前に出る。
・手で引っ張るのではなく、ハーネスで胸を意識して体全体でグイっと引っ張る。
・手で引っ張ると、キャノピーの形が崩れる可能が高くなる。
・キャノピーが上がるにつれ、腕の力を抜き、それに合わせつつ両手を上げていく。
・キャノピーが上に上がって、ほぼ頭上付近まで来たらAライザーを離す(70度ぐらいで、Aラインを離してもオッケー)。
・キャノピーが頭上に上がったと同時に、しっかりとコントロールグリップ(ブレークコード)を下に引き、キャノピーに風をはらませる。
・風をはらませることによって、キャノピーに一定の負荷を掛け続けることができ、頭上安定が安定する。



 

 5.頭上安定
 (1)キャノピーの上下(前後)・つぶれの調整
 キャノピーの上に引っ張る力をしっかりと作ることによって、頭上安定がうまくいく。

・バナナのように身体を後ろに反らせて、片翼を見る。
・風が弱いとき:キャノピーを引き上げる速度を上げる(しっかりと素早く前に前進する)。
・風が強いとき:キャノピーは風の力で、自立的に上に上がるので、ゆっくりと前進する。
・キャノピーが身体よりも前方に行こうとする場合、ブレークコードを引く。
・キャノピーが身体よりも後方に行こうとする場合、ブレークコードを緩める。

・キャノピーが上に上がったら、手を上に上げて風を入れる。

・立ち上げ後、キャノピーの広がりを確認し、いったん頭上安定をさせる。
背伸びする感じで頭上安定?

 

(2)キャノピーの左右の調整
① 身体の位置での操作 後ろから見た図

傾き右位置修正.png
傾き左位置修正.png

② ブレークコードでの操作 後ろから見た図

傾き左ブレ―クコード修正.png
傾き右ブレークコード修正.png

 6.走り方と離陸
・キャノピーが安定したら、迅速に走り出す。
・手はなるべく高く、徐々に、地面を駆け降りるような気持ちで加速する。
・姿勢は、マラソンのゴールラインを切るときのように胸を張り、両腕を肩の上に掲げて走る。
・風が弱いときは、一生懸命早く走る。
・風が強めの時は、焦らずにゆっくりと、無理せずに走る。
キャノピーの上を流れる空気の速度が速いと浮力が強くなり、空気の速度が遅いと浮力が弱くなるので、風が弱いときは自力で頑張ってキャノピーの上を流れる空気の速度を上げる必要がある。一方、風が強いときは、頑張って走らなくても、自然とキャノピーの上を流れる空気の速度は上がるので、自力で頑張る必要はない。

・走る方向は、最も楽な抵抗のない方向へ進む。(風にまさに正対して進む状態になる。この状態で走るならば、ブレークコードにたいして何の操作もせずに済む。
・そのまま走る。
・自然と身体が浮いてくるまで、足を交互に出していく。
・空中に浮こうと、ジャンプして一気に飛び降りる・飛び乗るのではなく、ただ走る。
・空中に浮いても、走り続けるような意識を持って走る。
・飛ぼうとする瞬間、少しブレークコード引く。そして、浮いたら、すぐに元に戻す。
・空中に飛び出し、滑空状態になったら、機体を安定させるために、ブレークコードを若干引く。こぶしが耳の位置ぐらい?

 

(1)キャノピーの傾き:走る方向とブレークコードの調整
・前向きになったら、どちらか片方の翼端を見ながら傾きの修正と、走る方向を調整する。
・キャノピーが傾いたら、キャノピーが下がった方向へ走る(風向を優先)。
・あるいは、キャノピーが上がった方のブレークコードを同時に引きながら走る(コースを優先)。


 

傾き右ブレ―クコードと方向修正クロスライズアップ走り.png
傾き左ブレークコードと走る方向修正.png

(2)キャノピーが後ろ過ぎる・前過ぎる場合
・キャノピーが後ろ過ぎる(上がってこない)場合は、ブレークコードを緩める(手を上げる)、そして体重を前に掛けるようにする。
・キャノピーが前過ぎる(追い越されそうな)場合、ブレークコードを引き下げて前へ急ぐ。

 

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