top of page

 着地(ランディング)


1.ランディング経路・場周アプローチ
2.ランディング・最終アプローチ

 (1)着地までのアプローチ

 (2)着地:最後の瞬間

3.オーバーランしてしまった場合

1.ランディング経路・場周アプローチ
 ランディングするときは、下図のような飛行経路を経て着陸する。基本は、風に正対して向かい風で着陸する。

・離陸地点Bの上空において、着陸するためには高度が高いと判断するとき、高度処理を行う。
・この場合、離陸地点Bよりも前方、「ヤブ」の上空まで行った方が高度を下げやすい。
・Sの字を描きながら、高度を下げていく。
・機体を斜めに傾けるほど、降下の効率が良い。
・ブレークコードを引き、速度を落としても高度を下げることになる。
・十分に高度が下がったと思ったら、迷いなくランディングの為のファイナルアプローチに入る。
・できるだけ、急カーブではなく、ゆるやかにカーブを描き、入るのが理想である。

ランディング経路・場周アプローチ

ランディング高度処理.png

 2.ランディング・最終アプローチ

 (1)着地までのアプローチ

 ・ランディングに向かうと決めたら、いかに少ない操作で最終着地ができるかを目指す(無駄な操作を行わない)。
 ・着地までのアプローチは、必ず風上へ真向かうような方向を取る。
 ・風が強いときは、目標を想定よりも前に設定(意識)して、高めの侵入経路をとる。風に押し戻されること、なかなか前に進まないことを想定して、十分な高さを保持して侵入する。
 ・風が弱いときは、なだらかな低めの侵入経路をとる。高度が想定よりも高過ぎるとき、高度調整の為にブレークコードを一気に引き下げると、風が弱いと失速する可能性がある。そして、前方からの風が弱いために前方へ向かう力が強く働き、対地速度が速くるので、思ったよりもスーッと前方に出てしま傾向がある。
 ・ランディングの態勢に入ったら、なるべくブレークコードの操作よりも、体重移動により、左右のブレの調整を行なう。パラグライダーと身体のブレを抑え、安定感を崩さないため。
 ・地面が近づいたら、ゆっくりとブレークコードを引き始め、グライダーの速度を落とす。
 ・ブレークコードを持ったこぶしを、ゆっくり肩から、胸、腹、腰、そして腰より下、太もも付近まで下げる。
 ・地面から1mぐらいのところで両手を一番下までおろす。
 ・ブレークコードを引きながら着地するというよりも、ブレークコードを完全に引いた状態にしてから着地する、という意識が大切。
 ・右手と左のこぶしは必ず均等に下げる。片方が高い位置だと、キャノピーが傾き、身体が横倒しになってしまう。均等に引き下げることを強く意識する。

 

 

2)着地:最後の瞬間
 着地:最後の瞬間は、向かい風が強いとき、弱いときに応じた異なった操作方法・イメージを持つ必要がある。いずれの場合も、ブレークコードの操作は、焦らず落ち着いて確実に行う。


 向かい風が強いとき
 ・通常通り、ブレークコードを引き、対地速度を下げていく。
 ・着陸直前まで、ブレークコードを引いたまま着実に十分に対地速度を下げる。
 ・そして着地の最後の直前、ほんの一瞬、こぶしを引き上げ、対地速度を少し上げる。
 ・着地最後の瞬間、対地速度を上げたのち、キャノピーの中に風を引き入れるように一挙にブレークコード引き下げる。
 ・そうすることにより一瞬浮力が強くなり、柔らく着地できる。

 向かい風が弱いとき
 ・向かい風が強いときと同様に、通常通り、ブレークコードを引き、対地速度を下げていく。
 ・しかし、向かい風が強いときほどに対地速度を下げない。
 ・ある程度の対地速度を保ったまま、着地の最後の瞬間を迎える。
 ・そして、着地最後の瞬間、車の運転で言う急ブレーキを掛けるように、ブレークコードを一気に目いっぱい下に引き下げ、一挙にキャノピーに風をはらませる。
 ・十分にキャノピーに風を引き入れることにより、浮力が生じ柔らかく着地できる。

 

 

​ ・着地したならば、軽く小走りするようにして、キャノピーを身体の後ろ側に位置させる。
 ・キャノピーが身体の後ろの位置に来たら、左手のブレークコードを下に引いたまま、ブレークコードを握った右手を肩の上に掲げる。
 ・その状態で、右へ身体を半回転させて後ろを向き、キャノピーを地面に落とす。
 ・ランディング時、なるべくキャノピーは身体の後ろ方向に落とすと良い(ランディング後、まとめて運ぶのに楽である)。

 ランディング時、高度が少し高すぎる場合
 ・ブレークコードを、いったん肩と腰の間まで下げて、スピードを落とし、高度を一気に下げる。
 ・ある程度に下がったら、ブレークコードを元の肩付近の位置に戻し、スピードを回復させる。
 ・スピードを回復させることによって、浮力を再度獲得し、そのまま高度を保ちながらランディング体勢に入る。


 

3.オーバーランしてしまった場合
 
 ランディング:オーバーランしそうな場合、してしまった場合は、ランディング操作において2つの選択肢がある。
 ①テイクオフ場Bの前の「ヤブ(藪)」に突っ込む(下図中b)。
 ②ターンして、もう一度ランディングを試みる(下図中a)。

 ①テイクオフ場Bの前の「ヤブ(藪)」に突っ込むに関しては、ランディング場に着陸できないときに取る緊急手段である。高度不足によりランディング場に戻ることができないとき、そして、強風の為に風上に機首を向けることができないとき、最も安全にランディングする最終手段である。
 もしも、ヤブに突っ込まずに、背後からの風に押されるままにのぼり傾斜の斜面にランディングしようとすると、速度が十分に落ち切らずに地面と衝突する可能性が高い。大きな怪我の要因となる。

 

 

ランシングオーバーラン最終図.png

 ②ターンして、もう一度ランディングを試みるに関しては、高度が十分にあり、かつ操作に余裕がある場合に取ることができる手段である。焦らなければ、通常のランディングの延長である。
 

空飛びノート

©2023 空飛びノート。Wix.com で作成されました。

bottom of page