Ⅱ 飛び立つ前のパラグライダー(キャノピー)のセッティング
1.キャノピー(機体)の確認
2.ラインチェックとパラグライダー(キャノピー)のセッティング
3.ハーネスの装着
4.機体(ライザー)のハーネスへの装着
5.キャノピーと身体の移動
6.キャノピーと自分の立ち位置・方向
1.キャノピー(機体)の確認
・キャノピー自体に破損があるかどうかを確認する。
・キャノピーの内部に異物が入り込んでいないかを確認する。もしも、枝等の異物が入っている場合には取り出す。それら異物が翼端の方にある場合には、翼の端に取り出し口(下図の赤○内)があるので、そこを開いて取り出す。
キャノピー翼端の枝等取り出し口

2.ラインチェックとパラグライダー(キャノピー)のセッティング
意図:きれいにキャノピーを拡げ、立ち上げの状態を作る。
・広げる場所の風向きを確認する。
・風の吹く方向にたいして90度の角度でキャノピーを正対させる。そうすることによって、エアインテークが後方になり、ラインがキャノピーの上側全体に広がるので、ラインの絡み等が見やすくなる。
{ \
{ \
{ ∟90度 ● ⇦ 風の方向
{ / 自分の身体
{ /
・エアインテークを後ろ側にして、エアインテークが前から見えるように置く。

・同時にラインが全てキャノピーの上にあること、ラインが絡んでないことを確認する(ラインチェック)。・ラインとライザーを持ち、ラインを少しずつ伸ばしながら、後退し、再度絡み等を確認する。そして、ラインがキャノピーの下をくぐっていないかを確認する。

*ラインチェックのコツ
①基本前提;キャノピーを袋から出した状態は、ラインは絡んでいない。絡んでいないことを前提にして(ライン性善説?)、ラインをチェックする。
②絡みの3大原因 a.ラインがキャノピーの下側に回っている。b.小枝等がラインに絡んでいる。c.ライン同士が、単純に絡んでいるように見える。
まず、ラインをほぼ引き伸ばした状態まで作る。
③この状態で、ラインが絡んでいるとき。
④ラインがキャノピーの下側に回っているかどうかを確認する。
④それがなく、そして、まだ絡んでいるならば、途中絡んでいるところまで行き、小枝等がラインに絡まっていないかを確認する。絡んでいれば、それらを取り除く。
⑤取り除いたうえで、ラインの手元を持って、腰あるいは肩当たりの高さまで持ち上げる。
⑥そして、重なり合っているラインを、手元のライザーを持って、おもに上下に大きく、あるいは小さく振ってみる。
⑦それでも、ラインが他のラインにかぶさっている場合、上に乗っているラインをつまみ上げて、重なりが取れる位置に戻す。
⓼まれに、ライン自体が、1本、自分自身で結ばれている場合がある。
それでも絡んでいる場合 ⇒ ほんとうに絡んでいる。
・最も多いケース:コントロールグリップがどこかに絡んでいる。コントロールグリップの絡みを最初に解消する。
・それでも絡んでいる場合は、一番上(前)側の赤いAライン3本を、1本ずつ上に持ち上げて、そのラインと他のラインの絡みを見る。まず、1本目の赤いラインをチェックして、その上に重なっているラインを見つけたならば、そのラインを下側の位置になるように修正する。次に2本目の赤いライン、そして3本目の赤いラインの絡みを修正する。
それ以外のケース:多様な原因があるので、1本ずつラインを持ち上げて確認する。
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3.ハーネスの装着
・まず、足のベルト、そして次に腰のベルトの順に装着する。外すときはその逆の順序で外す。(注 ハーネスはベルトをつけ忘れる事故が多発しているので足→お腹(腰)の順番でつけていく。足が付いていればせめて落ちてしまうということが軽減されるので事故防止対策です。Y.Ogura) 最大注意:足のベルトの付け忘れによる死亡事故が、1年に1回程度の頻度生じている。
・おのおののベルトの長さを調整して、緩すぎずきつすぎず、きっちりと装着する
4.機体(ライザー)のハーネスへの装着
・一旦、キャノピーを目で確認しながら、大よその中心付近に位置する。
・そして、キャノピーを背にするように体を180度反転させて、身体を前方向に向ける。
